長福寺最古のお墓は?
時宗 古木山 長福寺は、鎌倉時代より府中の街に栄えたお寺です。
今井ご住職に「長福寺に今現存する一番古いお墓はいつごろでしょうか?」とお尋ねいたしました。ご住職に案内していただいたのですが、墓誌に「寛文九年」という記載のあるお墓がありました。西暦で云えば、1669年。徳川家綱が将軍の時代、今から約340年前となります。
お墓を建てるのが一般化したのは江戸時代からです。現在のお墓は、「家単位」のお墓が主流ですが、当時は「個人単位」でした。長福寺の古いお石塔には、墓碑の中央に「先祖代々」その左右に個人の戒名が彫られている形式もありますが、個人→家単位に移る中間時期の墓石と思われます。
日本のお墓の歩みを文献で調べますと、庶民が墓を作るようになったのは江戸時代後期(享和・文化・文政)の1800年代と書かれていました。そう考えますと、それ以前に建てられた これらのお墓は、裕福な町人や郷士、庄屋の方でなのでしょう。